あと一年で卒業にもなる。
いまさら、しかもこんな時に転校なんてしたくない。
友達だっているのだ。
「勉強だって、それに友達だっているのに嫌です!あと一年だけなんですよ!?」
私は風間さんに訴えかける。
しかし風間さんは困ったような表情をするだけ。
どうして、どうして学校まで。
「お気持ちはわかりますが、ご夫婦となられた今、学校も同じくしたほうが良いとのお話でした。
伊織様が通われている学校は大学までエスカレーター式です。真琴様は社会学部へ希望を出していらっしゃいましたよね。第一希望の大学より、こちらの大学の方がランクは上です。大学もそちらに進んでもらいたいと……」
「大学も?」
大学まで決められてるっていうの?
「真琴様は公務員希望と伺っています。うちの大学ならより就職もしやすいのではと」
「どうせ、就職先も決まってるんでしょう」
「真琴様……」
風間の言葉に被せるように吐き捨てる。
キツイ言い方だと気がついていたが訂正はしなかった。