男が、屋上から出て行ってからしばらくたった。

「ねぇ。離して?」
「あ、あぁ」
私たちは、体を離した。

てゆうか、なんで私たち抱き合ってたんだろう・・・?
そのことを思い出しただけなのに、なぜか顔が熱くなった。
「おい、五月。さっきのは急に悪かった」
申し訳なさそうに、少し俯いている鋼牙がいた。
「き、気にしてないから!」
声が、裏返っちゃった・・・。
「教室帰ろう?」
「あぁ、そうだな」
私たちは、何事もなかったかのように教室に向かった。
教室に帰る途中さっきの話をしていた。
「私ね、今まで呼び出されたことは何回もあったんだ。でも、あんなふうにされたのは初めてで、正直怖かった・・・。」
鋼牙は、何も言わずただただ黙って私の話を聞いていた。
複雑な気持ちで、人けのない廊下を歩いていた。
するといきなり鋼牙に腕を引っ張られた。
「えっ、なに、鋼牙!?痛いよ」
鋼牙は、何も言わず私の腕を引っ張って黙々と歩いて行った。

すると、空き教室についた。
―――――えっ・・・――――
ダンッ!!
「イタッ・・・」
私は、鋼牙に壁に押さえつけられた・・・。
腕が、ジンジンしている。
「鋼牙?どうしたっ・・・ん!」
鋼牙は、私の唇を奪った・・・。
「んっ・・・いやぁ」
拒んでも拒んでも、角度を変えて何度もキスをしてきた。
そして・・・。
「んんっ!・・・あっ」
口の中に鋼牙の舌が入ってきた・・・。
何度も、私の舌に絡めてきた・・・。
もう我慢できなくなって。

ドンッ・・・!

私は、鋼牙のことを力いっぱい押した。
「な、なんで?」
「お前が悪い」
「は?なんで、なんでそんなこと言われなきゃいけないの!?」
私は、涙目になりながら空き教室を出た。
私の、ファーストキスだったのに・・・。
「う、うぇ、うぇぇん・・・。」
酷いよ鋼牙のバカ・・・。