「じゃあ牧原は小野寺の隣な」
「はい」
固まっている私をよそに平然といる鋼牙にだんだんイラついてきて
「なんなのあんた!?」
「は?何がだよ?」
「『何がだよ?』じゃないわよ!なんでそんなに平然としていられんの!?頭おかしいんじゃないの?」
私が息継ぎもせず怒鳴っているにもかかわらず、ふっと笑うかのようにして鋼牙は言った
「俺だってこう見えても驚いてるよ?まさか五月と同じクラスだったなんてね♪」
ニッコリ笑いながら言っている彼を見て私は言い返すのをやめた。
キーンコーンカーンコーン
ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴った。
それと同時に、私の机の周りにはクラス中の女子が飛びつくようにして集まってきた。
「ねぇねぇ五月!牧原君とどうゆう関係なの!?」
「え、別に・・・」
「え~、本当??」
「本当だって」
適当にみんなの質問を受け流して、やっと落ち着いたと思ったら・・・。
「五月ー!お呼びだよ~」
「わかったー」
廊下に出てみると、ちょっとチャラい感じの男子が立っていた。
「小野寺ちょっといい?」
「うん・・・」
私たちはそのまま屋上へ向かった。
男が、屋上に誰もいないのを確認すると私のほうを向いてまじめな顔になった。
「小野寺、俺お前の事1年の時から好きだった。付き合ってくれないか?」
まっすぐな目で私を見ながら言った。
「ごめん。私そうゆう恋愛とか興味無いの。ごめんなさい」
私はそう言ってその場を去ろうとしたとき・・・。
ガバッ!!
「え!?なに・・・なんなの!?」
「も~、五月ちゃんは冷たいな~。そんなこと言って本当は恋愛に超興味あるんでしょー?」
そんなことを言いながら、男は服の中に手を入れてきた。
「やっ、やめてよ!」でも・・・
ドカッ・・・
「え・・・?」
そう、目の前には鋼牙がいたのだ。
「こ・・鋼牙・・どうして?」
そして私も鋼牙の腕の中にいた。
「痛ー!んだよ、お前誰だよ!」
鋼牙に殴られた男は、かなり怒ってるようだ。
「うるせーよ。俺の女に手だしてんじゃねーよ!死にてぇのか」
「な、なんなんだよ!」
そう言い残して、男は屋上を出て行った。