雪夢は、俺の言葉に少し悲しそうに笑っていた。

「ごめんなさい」

バカな私でごめんなさい。そう謝った。どうして謝るのか、何となく察したけれど、謝って解決するような簡単な問題じゃないのだから、俺や華月は気まずい気持ちを抱えて黙りこんでしまった。

「……………あ、そうだ、お昼御飯、まだだったじゃない?食べにいきましょ」

華月が思い出したように、わざと明るい声をあげて俺の腕を引っ張った。

「あ、そう、だな」

雪夢を見ると少しだけ吃驚したように俺たちを見て微かに、笑った。安心したように、笑ったのだ。

「また、くる」

「……はい」

そのときの雪夢の顔は、複雑な顔だった。嬉しそうで悲しそうで。

彼女は、器用に表情筋を鍛えたものだ。