「んで?いつ好きになったの?」
テスト前だというのに
いくら中間休みといったって、それを利用して勉強する者は沢山いるのに
木村君は、手すりに腕を乗せてあたしの話を聞く体勢に入っている。
なんだかそれを見たらテストなんてどうでもよくなって、頭の中はアイツでいっぱいになった。
「自分でもよく分からない…でも、」
木村君があたしの顔を不思議そうに見つめる。
「あたしが思ってたほど嫌なヤツじゃないのは確かでしょ?多分、そのギャップにやられた」
自分で話してて、笑えてきた。
アイツのギャップ?
そんなの見たっけ?って自分でも半信半疑だったし。
でも、木村君はいつもの調子で優しく笑ってくれた。