木村君が少し歩いて、あたしから少し離れた。


風が体を通り抜けて
髪が流れる。



「別にいいと思うよ?」


「え…」


予想外の返答。


もっと、否定されると思ってたのに。



「俺の言葉を気にしてんなら悪かったよ」


「や…別に…」



あ…なんか
心の奥がスーッとする。


人に話したからかな。



「俺、勘鋭いから隠してもすぐバレるからね?」


「隠してないよ!ほんとに咄嗟だったの」


「じゃあ咄嗟に隠したんだ」


「ちっ…違う!」



クスクスと笑う木村君。


こんなに笑う木村君、初めて見た。