無意識に握られた拳が強くなる。


誰にも知られたくない。


気付かれたくない。






「アイツのこと好きになった?」





時、既に遅い。


体の力が一気に抜けて
何もかもが終わりな気がした。



「フフ…分かりやすっ」


「……」



木村君を見ると、いつもの爽やか笑顔に戻ってる。


それを見て、なんだか軽くなった。


木村君は小林の親友で

あたしは小林が嫌いで


それを木村君は「良かった」と言った。



だから、今更好きになったって
周りとなにも変わらない。



他の人と同じになるから


だから、知られたくなかった。