あたしは真緒と違って諦めてるから
真緒が頭を抱えてるのを見てもまるで人事のようだった。
「高橋」
廊下から突然顔を出したのは
木村君。
聞き覚えのある声と見覚えのある顔で
一瞬、体がビクッとした。
「ソウ!?」
その意外な人物に真緒も驚いたみたい。
相変わらず、爽やかな笑顔をして
真緒の所まで歩いてくる。
「来週のことなんだけど…」
「あぁぁ!!今、それどころじゃない」
来週?
あたしが不思議な顔をしたのか
木村君と目が合った。
うっ…
思わず視線を反らしてしまった。
「シカトは酷いだろ、高柳」
――!?
バレてる…
冷や汗が出てきて、それでもシカトした。