ここに来てから1度も家には帰っていない。
確かに忙しいっていうのもあるんだけど‥
省吾に会いたくなくて、会ってしまったら泣きそうで・・・
帰るに帰れていない。
『でも、でもね?』
「はいはい。大丈夫だから。またね」
いつまでたっても心配症の母親の電話を切った。
今日は貴重な1日休み。
前の日はあれこれしようって考えてたけど、結局ソファーに寝転んでしまう。
そして思い出してしまうのは--
「元気かな・・・省吾」
離れれば、こんな気持ちすぐに消えると思ってたのに‥
どんなに忙しくても、疲れてても省吾は私の中にいる。