軽く触れられただけなのに、その部分だけ熱くなった。
いつもなら「大丈夫」って笑うけど、私にはそんな余裕はない。
「・・・省吾を待ってたの」
「えっ?俺?」
私はコクリ頷いた。
とうとう、これを言わなきゃいけない時がやって来た。
“幼なじみ”という壁を壊す日が・・・・
「あのね・・・」
鼓動が速く動き出す。
自分のじゃないみたい。
省吾は真っ直ぐ私を見つめる。
「就職・・・・決まったの」
「・・・えっ」
省吾の間抜けな声が聞こえた。
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