pm.10時10分。






あの夜と同じ時間。





「--あれ?瞳?」




まるで計ったように省吾が帰って来た。




でも、あの時と違うのはビールはなく手ぶらなのと私を見る目が少し見開いていること。






「・・・おかえり」



「お前っ‥、こんな寒いのに家の前で何やってんの?!」





私は玄関の前でずっと座り込んでいた。




外は雪が降って寒いのに、ずっと待ってた---省吾を。






省吾は私の手をひいて立ちあがらせた。






「ほら、顔も赤くなってるし・・・」



そっと省吾の手が頬に触れる。