「ま・・・・あれだ。・・・・うん」
省吾は缶ビールをテーブルに置いて俯く。
省吾からしたら難しいよね。
だって‥省吾は一発で通ったから。
「省吾の就職先って、○○会社だっけ?」
私はニコッとほほ笑んだ。
○○会社といえば、有名な大企業。
なんだかんだ言いながら、ちゃっかり通ったのがさすが省吾ってところ。
「あ、あぁ。ここから近いしラッキーだったよ」
近い、か・・・
「…じゃあ、家出ないんだ?」
「あぁ。だからさ、就職してもだまには飲もうぜ!お前なら絶対に就職できるからさっ」
ニッと笑う省吾の表情は昔から変わらない。
あぁ・・・。重症だな、私。
ただ笑っているだけなのに、ただそれだけで慰められ好きだと実感させられる。
言えない秘密を1つ抱えながら---