秋の紅葉もすっかり葉を落とし

季節は冬の装いに包まれ始めた・・・



薫はサッカーのテクニックも身につけ

今は高橋とツートップを任されている


トップだった先輩は司令塔として

巧く高橋と薫の力を引き出していた


チャンスに確実に点をとる高橋と

どんな所からでもシュートを打てる薫


過去最高と言われる程の

いいチームになっていた




真琴は薫の気持ちが分からなかった

(いったいどう言うつもりなんやろう・・・)


軽いノリの薫にとってあんな事

何でもないというのか

相変わらず楽しそうにクラスの

女子の首に手を回しはしゃいでいる薫


私に対しても他の女子に対する

態度と変わらない

(ずるいよ!こんなけ好きにさせといて・・・)


そんな薫は私の心をギュっと掴んで離さない


(薫が好き・・・!)

私の心は走りだした もう止める事は出来ない




高橋に対する春風のような

やわらかい愛ではない


薫に対する気持ちは


真夏の太陽のようにジリジリ胸を焦がす

・・・そんな恋だった