高橋は真琴を信じた

大好きな真琴の事を信じたかった


あの殴るシーンを見て

高橋のファンが増えた

また真琴の事を悪く言う子も

あまり居なくなった


『不可抗力だったと

自分に言い利かせる高橋』


『遊び人の薫の前で隙を見せたと

反省する真琴』


こんな事乗り越えられると信じていた


ある日の帰り道・・・


夏の日差しもすっかり和らぎ日も短くなって

練習が終るともう陽は暮れている


暗くなると心配だと言って

いつも高橋が真琴の家まで送って来ていた


門の前で少し喋って帰るのがいつものパターン


だが 今日は違う


高橋の顔が近づいた・・・


咄嗟に真琴は横を向いてしまった


「あっごめん・・・

イヤとかそんなんちゃうねん・・・

ちょっとビックリしただけ」


真琴は謝りながら不思議に思った

(何で避けてしまったんやろう?)



「悪い!!!何か焦ってもうた!

ほな また明日~」


そう言って高橋は帰って行った


胸をよぎる不安・・・


高橋は嫌な予感がどうか当たらないようにと

心からそう思いながら・・・