金曜日の夜 理香から電話があった


拓からの着信はここ2、3日はない

ホッとしたような反面急激な寂しさに襲われた


「もしもし・・・あっ真琴~?」

「うん ・・・」


「今日も行ってきたん? 薫んとこ」

「うん 行ってきたよ~」


「どうやった?」

「「いつも通り・・・元気に息してた!!」


こんな会話も何回繰り返してきた事だろう




ただ今日はそれだけではない           

理香には伝えなければならない事がある


拓からの伝言・・・


理香にはおおよその見当はついていた

真琴の性格からして

拓の気持ちを受けいれるとは 

思われない


しかしこのままでいい筈もない


理香は切り出した


「えっと・・・拓の事やねんけどなー

真琴の考えも言いたい事も分かるんやけど・・・


やっぱちゃんと話した方が良いと思うねん

拓は本気で真琴の事思ってるで!


辛いかも知らんけど

一回だけ・・・最後でもいいから

拓の話 聞いたってー!」


「わかった・・・」



やはりこのままではいけない

このまま何も無かったように記憶の中から

消すことなんてできない



簡単に忘れる事など出来ない程


拓の気持ちも真琴の思いも


大きくなりすぎていた・・・