あれから現状は変わらず

拓からの電話は繋がらないまま

2週間程経った


夏休みも終わり二学期に入っていた


隣のクラスの理香が拓の元にやってきた


「拓~オハヨ!!

あれから真琴とどうなったん??」


理香はてっきり拓と真琴は

うまくいったと思い込んでいた


真琴に直接聞く事も出来たが 

真琴からその話題が出ない限り

理香から聞く事はなかった



「あ~~~特になにも・・・」


「え~? 何それ・・・

あの日会ったんちゃうん? 

告白するんかと思てたのに~~~」



「・・・したよ 

でも振られた・・・・・」



理香は言葉がなかった


真琴も口に出しては言わなかったが

確かに拓の事が好きに違いない


古い付き合いの理香には

真琴の気持ちがよく理解できた


(そやのに 何で・・・?)


理香に思いあたる事がひとつあった


そう・・・薫の事に違いない

真琴はまだ薫の事を思っている


拓の事が好きになったとしても

薫の命がある限り

真琴は誰の事も受け入れる事はないだろう


この事を拓に言うべきか・・・


理香は葛藤していた




すると 拓は何かを決した様な表情で 

こう言った



「最後にどうしても伝えたい事があんねん!

・・・悪いけど真琴に連絡とってくれへん?」




拓はこのまま真琴を諦める事は

どうしてもできなかった


せめて理由を聞きたかった




拓は 最後の『賭け』をした・・・・・