その頃拓も眠れない夜を過ごしていた

本当はこんな事になるとは

本人も思っていなかった


拓は心に決めていた


(大阪大会で優勝し甲子園出場が

決定したら告白しよう・・・) 


でも負けてしまった 

しかも自分の責任で・・・


こんな気持ちの中で大好きな彼女に

思いを告げるなんてできないと


押さえ込もうとした気持ちとは反対に

募る思いはどんどん大きくなる


薄れゆく意識の中で 

誰よりも逢いたかった

誰よりも声を聞きたかった


正直な気持ちは拓を行動に走らせた・・・




涙を拭い星空を眺めていると

そこに真琴が現れた



(あっ・・・天使や   

神様が天使を連れてきてくれた・・・)


それほど心は高揚した



抱きしめたかった

このままどこかに連れ去ってしまいたかった


気がつけば真琴にキスしていた


もう抑えられない・・・





『募る想い』の拓と

『想い』にけりをつけた真琴が



其々の想いを胸に


同じ星空を眺めていた・・・