(あっ…真琴や!

甲子園出場が決まって

俺告白したんやった! 


それで真琴がお祝いに来てくれたんか~)


でも現実には優勝もしていないし 

告白もしていない


しかし今目の前には

大好きな真琴がいる…



拓は夢を見ていた

このままずっと夢を見続けていたかった



しかしすぐに現実に引き戻された

壮太からの電話

『あっ拓か~!やっと繋がった・・・』                        

今までのいきさつを聞いた拓は 

恥ずかしくなり


真琴の前で申し訳なさそうに

小さくなっていた



二人は公園のベンチに座っている



「ごめんな…俺って情けねぇ~」


「ううん~いいけど…

何かビックリしたし~!」


「二人だけで話するん、初めてやな!」


「そうやった~? 

そう言えばそうかなぁ…」


「っで、なんで来てくれたん?」


「なんでって…

拓が電話かけてきたから…」


「来てくれって頼んだっけ?」

すこし意地悪そうに笑った


「そういう訳ではないけど…」 

それ以上何も言えない真琴



「俺のこと好き?」 


「・・・・・」


下を向いている私の顔を

のぞき込むように

拓の顔が近づいたかと思うと



「あっ・・・」

拓はホントに優しく

ふれるだけのキスをした


ドキドキがとまらない


「真琴、ちゃんと目つぶった?」

悪戯っぽい笑顔


「えっ、それは・・・」


「じゃぁもう一回!!」


そう言って今度はベンチに座っている

私の前に膝をついてすわり


頬に手をふれ さっきより少し

長めのキスをした…



拓は目を閉じていた 

長い睫毛が愛くるしい

唇が離れてちょっと照れくさそうに言った



「さっき電話で言った事 

俺のほんまの気持ちやから…」