(何で?何で拓が私の携番知ってんの?

しかも口調もおかしいし態度も変…)


次に受話器から聞こえてくる言葉に

耳を疑った



『真琴が好きや~ 

真琴に逢いたい~~』


「突然何言い出すんよ!今どこ?」 

返事がない…



ただならぬ状況に私は

居てもたってもいられなくなり 

気がつけばタクシーに乗っていた



理香に二次会の状況を聞いて

拓の態度にも

電話をかけてきた事にも納得した



運転手さんに地番を伝えると           

程なくタクシーは住宅街の一角に止まった      

そこで車を降り10mほど歩くと

小さな公園があった



風もないのにブランコが揺れている…



そこにはいつもの華やかな彼ではなく


捨て猫のような悲しげな表情で


星空を見上げる『拓』がいた…