二人の間には気まずい空気が流れていた

いつもの拓ではない


こんな場合 

『襲えるチャンスや~!』

なんてふざけてて見せ 

相手に抱きつくフリもできた


またそれが許されるキャラだった



しかし昼間壮太が言った言葉が

気にかかった

祥子の気持ちも勿論解っている




祥子の方も今日の告白は

前々から決めていた…

普通で居られる訳はなかった



少し他のメンバーの事や世間話をした後

ついに、祥子は言った




「私は拓のことが好き!

初めて見た時から…

友達としてではなく私のことを

見てほしいねん」


恥ずかしくて相手の顔が見れない





拓もまた顔を見ることが出来なくて

下を向いていた


そして…小さな声でこう言った



「ごめん…祥子はええ子やと思う

でも俺、好きな子おんねん…!」



「そうなんや…解った!」



祥子の頬をつたう涙を

月明かりが優しく照らしていた