身体が冷えた彼らは海からあがり

砂浜で遊びだした 

 
壮太を標的に砂で埋めようとしている



日頃の厳しい指導のお礼と言わんばかりに

砂をかけ続け あっと言う間に 

壮太の身体は見えなくなった


「お前ら~覚悟しとけよ~~~!」

誰も聞いていない…




しばらくして開放された壮太は

横でトンネルを作っている拓に言った


「理香から聞いてるけど

祥子ちゃんの事どお思てん?」


「・・・別に!」


「何やねん!?別にって…

向こうの気持ちわかってんやったら

ちゃんとハッキリせなあかんぞ!」


「あっ、はい…」


恭二が口を挟む

「俺やったらあの子らみんな

日替わりでええわ!」



壮太と康平が同時に恭二のわき腹に

パンチをいれた





拓は悩んでいた

祥子のことが嫌いとか 

そういう問題ではなかった


好きな子がいる、でも言える訳がなかった


それが祥子の親友である


『真琴』である事を……