拓は確信した 


膨らみ出した蕾は…

確かに恋だった!



初め真琴を見た時の印象は

あまり良いものではなかった


(あの子可愛いけど気強そう~)


そう思っていた彼女があの日

痴漢にあって悔しそうに 

何も言えず下を向いて震えている


むしょうに腹がたった  

気がついたらおっさんをボコっていた


平和主義の拓にしては

ここまでする事は珍しかった


その日以来無意識に

真琴を探す自分がいた


優衣の時もそう

拓はどんなに可愛い女の子を

紹介されても

付き合う気にはなれなかった



「俺、こんな気持ちになったん

あれ以来やな…」


拓は遠くを見つめてつぶやいた



「黎子さん元気にしてるんかな…」