恭二は猛ダッシュで自転車を走らせた

恋しい黎子が今家に居る…


返事なんてどうでも良かった

ただ黎子に逢いたかった


息を切らし階段を駆け上がる


目の前に黎子の顔が飛び込んできた


「あっ…いらっしゃい!」

「お邪魔してます~!」


「黎子さん何かあんたに話あるみたい

終ったら呼んで~」


そう言って塔子は下に降りて行った


「さっきはごめん…

あんまり突然やったからビックリしてん」


「こっちこそ…」


「ビックリしたけど嬉しかった!

私も恭二君が好きみたい…


恭二君がもうちょっと大人になるまで

待ってていいんかなぁ…!?」


「それって…?」


「そう!これが私の返事!」


夢のようだった

さっきの黎子の涙で半ば諦めていた


「俺絶対黎子さん幸せにしてみせる!」

そう言って黎子を抱きしめた


二人の唇が重なりあう


(恭二君ってキス巧すぎ…

私より経験豊富かも…?)


意識が飛んでしまいそうになる中

恭二の手が黎子の胸に…


「このままどっか行く?」

女の誘い方は馴れたものだった


我に返った黎子がそんな恭二をたしなめる

「それはまた今度ね…!」


もう一度キスをした

このまま時間が止まればいいのに…


黎子は後ろ髪が引かれる思いで

恭二の家をあとにした…