ある日の練習帰り 

拓は康平と恭二に声をかけた


「夏休み入ったら皆で海行かへん?」


「拓から誘うって珍しいやんけ!」


「ええな~!!!

もちろん女同伴やろ?」


聞いてきたのは恭二


「おう! 理香おるやん

そのツレらと…」


「あぁ~理香やったら全然OK!!!

で、そのツレってカワイイんけ?」

と恭二


康平は咲季がいる手前

素直に行くとは言えない



「もちろん康平も行くやんなー

これは拓にしてはめずらしい誘いやぞ

協力したろやないか!」



恭二のとってつけたような口実で

しぶしぶ康平も参加する事になった



「で、そのツレなんやけど

・・・覚えてるかな!?


前に電車で痴漢にあった子おったやろ

俺らがあとでおっさんシバいた時の…」


「おお~!あの時の!? 

その子が理香のツレやったん?」


「そう…」 

拓の顔が少し赤くなった


「そういえばあの子可愛かったよなー」


一見、人を寄せ付けない雰囲気の

真琴だけどよくみれば

童顔でカワイイ顔をしている


「キリっとしてたし、痴漢にあっても

充分抵抗できると思ってたのにな~!」


「そうそう意外に何もよう言わんと

オロオロしてて…」



みんな良く覚えている 


「それで拓はその子が

気になってん?」


相変わらず康平は感が鋭い!



「っんな訳ないやん!

たまたま海行きたい気分やっただけ~」


拓はそう答えたものの 

心の中で確信した



心の中の小さな蕾が


大きく膨らみだしたのを……