恭二は続けた


「さっきも言うたけど

俺は何事にも妥協はせえへん!


例えそれが恋であっても…


卒業したら俺はプロ目指す!


すぐに使い物になるか解らんけど

必死で頑張って金稼いで

黎子さん迎えに行く…


それまで待っててほしい!」




黎子はこのままここに居ると

流されそうな自分が怖かった


涙をこらえその部屋を飛び出した


追いかける恭二


化粧室の前で黎子に追いつき

そのまま黎子をきつく抱きしめた…




そこに化粧室から塔子が出てきた


予想外の光景に目を疑う


(恭二、そうやったん…


だからあんなにしつこく黎子さんを

誘ってくれって言ってたんかぁ~)



塔子は黎子には他に好きな人がいると

思っている…


自分で言うのも何だが我が弟でありながら

恭二は大人っぽくカッコいい


今までモテてきたのも納得できる


しかし所詮高校生だ


大人の黎子が相手にする訳ないと思っていた



弟の悲しい恋の行方に心痛める姉だった