その日の夜理香は真琴に電話した

壮太のW大進学が決まった事を報告する


二人の会話はいつものように盛り上がった


もう真琴は大丈夫やな…




そう理香は確信し本題に入る


「真琴…15日の予定なんかある?」


「う~んと…今のところ何もないよ!

ってか私ずっと何もないんやけど…」


二人は笑った


「実はK高の野球部で壮ちゃんの

壮行会してくれんやけど

真琴も来てくれへん?」


「へ~そうなんや~

でも私が行っていいんかなぁ…

やっぱ拓とかも来るんやろ?」


「真琴が嫌やったら無理には誘えへんけど

拓は待ってると思うで!」


「イヤって訳ではないねん!

でも今さらあの子らにどんな顔して

会ったらいいかわからんし…」


「普通でええんちゃん?

なんしか主役は壮ちゃんなんやし~」




理香は敢えて憎まれ口を利いて

真琴の気持ちをほぐした


意地っ張りの真琴を

素直に連れ出すには一苦労だった



「も~理香の幸せ者~!」

真琴が理香をつつく



「わかった!壮太先輩の門出

一緒に祝福させてもらいま~す!」




理香は小さくガッツポーズをした



(もうそろそろ真琴も幸せになって

いい頃なんやで…)