「黎子さん、もう大丈夫なん?」


塔子は黎子が帰国して間もない頃に

聡次郎との別れの話を聞いていた


「黎子さんも色々ある時にごめんね~

ガキどもの相談にも乗ってもらって…」


「いいんよ~そんな事…

拓ちゃんも恭二君も私にとったら

可愛い弟みたいなもんやもん…

それにもう彼の事は吹っ切れた!」


そう言って笑う黎子の笑顔に安心した



「何か楽しそうやなぁ~」

恭二がノックもせず入ってきた


「こら~出て行き~!」

塔子がクッションをぶつけた


「まあいいやん!塔子ちゃん…

それより恭二君、野球の話聞かせてよ!」


「任して!けど黎子さん、話聞いて

俺に惚れたらあかんで~」


今度は塔子の投げた雑誌が

恭二の顔に飛んできた!