さあ!拓ちゃん~話聞かしてもらおか?」


「黎子さん、何か怖いんですけど…」


「すごい野球頑張ってるみたいやけど~

今回は調子悪かったん?

何か悩みでもあんのかな…!?」


「黎子さんにはかなわんわぁ~」


拓はそう言って真琴との出会いから別れ

夕貴にふられた事


その頃からの気の迷い


野球においても集中出来ない事など

掻い摘んで話した


「拓ちゃんも大人になったんやね~!

でもそれで野球にも影響するんやったら

深刻やねぇ…早く解決せんな!」


拓は黎子に聞いてもらっただけで

だいぶ気持ちが楽になった


「それより黎子さん

あれからどうしてはったんですか?

彼氏とかいてるんっすか?」


「私の事は拓ちゃんの事が

解決してからね~」


そう言ってはぐらかす


何に対しても黎子は数段上だ



「私一応大学で心理学やってんやけど

こんな場合は相手の気持ちも

絡んでくるから大変なんよ~」


年も7歳上なので当たり前の話なのだが

黎子には説得力があった


拓が慕っているので余計そう思えた



「自分の気持ちの持ち方、考え方

そんな事だけちゃうもんねぇ……」


黎子も大きなため息をついた


「すいません~黎子さん忙しいんちゃうん?

ほんまあいつらお節介な事してくれて…」


「良いお友達や~ん

拓ちゃんの事真剣心配してるよ!

大事にしいな!」


そう言ってコーヒーを一口飲み

大きく息を吐いた…