恭二は家に帰り姉の部屋をノックした

返事もないのにドアを開ける


慌てて二人が離れた…

塔子の彼氏が部屋に来ていた


「もう~恭二!ノックぐらいしいよ!」

塔子がキレている


「ノックしたし~ちゃんと聞いとけよ!」


彼の孝介さんがその向こうで笑っている


「あんた~また酒飲んでるやろ?

もう孝介も言うたって~このアホに!」


「そんな事より姉貴に相談なんやけど…」


「小遣いやったらあかんで!」


「ちゃうよ~もっと大事な事!」

そう言って今の拓の状況を話した


「でもそれと私と何の関係があるん?」


「実は黎子さんに頼んでほしいねん」


塔子はようやく話の内容が掴めた


塔子も黎子が拓の家庭教師を

していた事は知っている


しかも黎子は心理学専攻

黎子に拓の相談に乗ってほしいのだろう


「でもなぁ~今黎子さん私生活で

色々あるみたいやからどうやろ~?」


「まぁ連絡だけしてみて!

さっきの事おかんには黙っといたるから」


恭二は孝介にウィンクして見せた


「恭二~!」


そんな姉の言葉を無視し

孝介に挨拶をして自分の部屋に戻った