夕貴からの連絡がないのにしびれをきらし

拓が携帯を手にした瞬間

夕貴からの別れのメールが届いた


(何やねん、これ…)

拓は呆然としてその言葉を見つめていた


(あんまり会われへんかったけど

野球あるのにしゃぁないやんけ…


夕貴は解ってくれてたんちゃうんか?

やっぱ寂しかったんか?


他に好きな人できたって何やねん…)



夕貴の本心を知らない拓は

女の子の気持ちが解らなくなっていた


“もう女なんか懲りごりや…

もう恋なんかせえへん!


俺には野球がある!

野球は俺を裏切れへん…”


拓は悲しみと怒りをばねにして

野球に打ち込む決心をした