見事K校は去年の屈辱を晴らし

甲子園への切符を手にした


学校も地域も巻き込んで

お祭りムードで盛り上がっている


拓たちもこの状況を楽しんでいた


ほっとしたのもつかの間

すぐ本大会が始まる


夕貴の事が気にならない訳では

なかったが会う事はできない


この状況はどうする事もできなかった


いくら野球に興味のない夕貴でも

ニュースで見たり友達に聞いたりして

この事は知ってくれているだろう


そして喜んでくれている筈…



夕貴は今までもまめに連絡してくれなど

要求しない子だった


この時も“この大事な時期にそっと

していてくれている”


拓はそう思っていた


まさか自分の活躍を見て

夕貴が別れを決意していたなんて


考えてもいなかった…