康平にそう宣言した以上

真琴への思いを封印し夕貴と真剣に

向き合おうと決めた


「夕貴ちゃんともまだやんなぁ!?」

康平がにやけている


「おまえ~ええ加減にせえよ!」

拓が康平の首をしめた


「うぅ~すまん!

そやけどお前正直我慢できる?」


拓と康平はあの日の事を思いだしていた


中3の冬クラブチームの仲間で

スキーに出かけた


彼らは推薦で高校が決まっていた為

受験シーズンでも余裕があった


ただ怪我をしないように

それだけを気にしていた



ゲレンデで知り合った女子高生らとの

一夜の行きずりの恋だった


もちろん康平には咲季がいたのだが…


この時の彼らには愛なんて必要なかった

ただ興味だけで突っ走った


でも拓にとって後味の悪い思い出だった



康平はこの時以来浮気はしていない


しかしフリーの拓はモテていたし

もっと遊んでると思っていた


恭二は遊びすぎだったが…




「俺は理性的な男なんや!

もう遊びはええって~」


「ほんまにお前夕貴ちゃんと頑張れよ!」


「おぉ!お前も咲季大事にしたれよ~」


二人はお互いの恋を応援しながら


康平は拓の家をあとにした