「拓…はっきり聞くけど

夕貴ちゃんの事ホンマに好きなんか?」


「当たり前やんけ!

好きやなかったら付き合えへんわ」


「そやけど俺らみんなお前と真琴ちゃん

ずっと続くと思てたんやけどなぁ」


「俺かてそう思てたよ…

そやけどフラれた!」


「一回でも抱いたら情移って

別れにくい言うけどなぁ~」


少しアルコールの回った康平は

男の本音を聞いてみた


「抱いてないし…」


予想外の拓の返事だった


「えっ!そうやったん?」


「悪いかよ…お前らと一緒にすな!」


そう言いながらもあの日の事を

後悔しない訳ではなかった


(もしあの日、真琴を抱いていれば…

俺の事だけを考えてくれただろうか?)




「悪い!これから夕貴ちゃんと

頑張るんやろ~?」


「おぉ~そうやで!もう過去は過去…」




拓は真琴にまだ未練がある事を

この時気付いてしまった


でも言ったところで何になる?

真琴はもう振り向くことはないだろう


しつこい男にはなりたくなかった


(付き合ううちに夕貴の事をもっともっと

好きになっていけばいい…)


拓はそう思っていた


康平もそれ以上真琴の話を

する事はなかった