薫が亡くなって1ヶ月が過ぎた頃


待ちに待った真琴からのメールが届いた


しかしその内容は拓にとって

想像すらしない内容だった


『長い事連絡もせずにごめんなさい

私に許された道は薫と生きていく事


拓は私の事なんか忘れて

新しい人生を生きてください…

本当に今まで有難う』


拓は愕然とした



二人で乗り越えてこれたと思っていたのは

自分ひとりだったのか…?


薫と生きる?


その薫はもうこの世には

居ないではないか…?


やっとの思いで手に入れたと

思っていた真琴が

またこの手の中から逃げていく


今や思い出の中で美化されるだけの

薫の存在に

太刀打ちできないと思った拓は

諦める事しかできなかった


『わかった…

真琴の思うようにしたらいい

頑張れよ!』


そう返信して真琴のアドレスを消した…



2月半ば大阪で記録的な大雪を

観測した夜…



真琴と拓は破局した