1月10日 告別式


大阪ではめずらしく雪の朝だった

深々と雪が降る中

告別式がとり行われた


ご両親、響さん、親戚

薫の地元からの友人たち

香ヶ丘中時代の恩師や友達…


理香と拓の姿もあった

たくさんの人が

最後の別れにやってきた


祭壇の上から

薫が優しく微笑んでいる


まるでみんなに“ありがとう”とでも

言っているようだった


笑顔の薫とは対照的に

会場にはすすり泣く声…

そんな声がまたみんなの涙を誘った


いよいよ出棺の時がきた

これで本当に最後のお別れだ


今まで意識はなくても暖かだった

薫の体が今無くなろうとしている


今までの薫との思い出が

フラッシュバックする


出会い、初めてのキス、将来の誓い…

そして悪夢の事故…


そんな中薫の棺をのせた霊柩車は

別れのフォーンを鳴らしながら

斎場をあとにした