ハッと目が覚めた

時計の針は5時45分を指している


やけにリアルな夢だった

今までここに薫が居たように思える


そしてその戸を開け

薫が入ってくるような錯覚を覚えた



(これって薫が事故に遭った時刻やん…)

私は偶然とは思えなかった


さっきまで高校生に成長した薫がいた

でもここには居ない


ここだけではない、何処にも居ない

薫は病室に居るのだから…


(やっぱり夢か…)


冬なのに寝汗をかいている

薫に近づこうともがいていたのだろう


鏡を見ると頬が涙で濡れていた


薫に会えて嬉しかった涙

黙って消えていった悲しみの涙



この後、私は過酷な事実を知る事になる…