動揺する私に拓が追い討ちをかける


「終電ないって解った時

俺が行こうって誘ったらどうしてた?」


「ムリムリ…お母さん絶対迎えにくる」


そう言っても理香の家に泊めてもらうとか

言い訳なんて作ろうと思えば何とでもなる


私は親に嘘をついてでも

拓と一緒に居たくなるのだろうか…


今の私には正直解らなかった


「ごめんごめん…」


戸惑っている私を見て拓は慌てて

私を引き寄せ頭をクシャっと撫でた


「そんなん答えんでいいよ

ゆっくりでいい…


俺のものになってくれるんやったら

ゆっくり待つから……」



私が顔を上げるとそこには

拓の飛び切りの笑顔が…



この笑顔を私だけのものに

したかった……