理香によると毎年壮太の家で

お正月は鍋パーティーをするらしい


毎年男ばかりなのだが主催者の壮太の

彼女の理香は別


三羽烏も来ると言う事で

真琴も誘われた


彼女の居ない先輩から冷やかされながらも

華のある女の子二人は歓迎された


私は拓の横に座らされ

この時ばかりは恋人同士のようだった


楽しい時間だった

満腹になりもうすっかり夜は更けた


豪邸の壮太の家には

何人かは泊まるつもりで寛いでいる


理香と私はそういう訳にもいかず

そろそろ帰る支度を始めた


「おまえら~片付けとけよ!」

そう言って壮太が私たちを送るため

一緒に席を立つ


玄関をでると慌てて拓が顔をだした

名残惜しそうな拓に壮太が言った


「俺らコンビ二寄るから

お前真琴ちゃん送っていったれよ!」


壮太は気を利かせてくれた


嬉しそうな顔を私に見せないようにして

クールな表情で言った


「ほんなら行こかぁ~」


こんな拓の姿が好きだった



二人はまだ初々しい恋人同士のように


少し照れながら夜道を歩いた