「祐輔くんに告られたんやって!?」

「うん・・・そんな感じ」


「でも断ったんやでなぁ?」


「私には薫がおるからな・・・

それに支えてくれてる拓もいてるし」


「そやよな~真琴はあかんって

圭太にちゃんと言うとったのに~」


「でも祐輔くんええ子やし

友達としては最高なんやけどな!」


「そやろ~彼女作る気ないんかと

思ってたら真琴に気があったんやな~」


そう言って祥子は遠くを見た

そして凛とした表情でこう言った


「真琴・・・無理したらあかんで!

こんなけ待ったんやもん

誰も真琴の事責めたりせえへんよ!

自分に正直にな・・・

くさいけど青春は一回きりやで!」


祥子の言うとおりだった

拓の事を言っているのだろう


周りに目を向ければ色んな人生がある


色んな出会いがあった

祐輔との出会いもそうだった


でも『拓』との出会いは

真琴にとって特別だった・・・


「有難う、祥子!

今拓大会とかで忙しいやんか!?

ちょっと距離置いて考えるのに

いい機会やと思うねん・・・」


距離を置くと言っても

先の見えない真琴だった


でも離れてみて自分の本当の気持ちが

解るかも知れない


誰も悪くないのに

運命に翻弄される自分を


どうする事もできなかった・・・