出合った頃は入学して間もない事もあり

あまり知られてなかったのだろう


しかし何度か大きな大会などで

注目されるうち野球部の人気は鰻上り


三羽烏はシニア時代から

そこそこ人気があったので

余計に注目される


私なんかと関わっている事でさえ

不思議な感じがした


由紀でさえまだ信じられない様子だ


「真琴、しっかり捕まえとかんな

強敵ばっかやん!」


「だから~まだ彼とかちゃうって・・・」


私たちが言い合いをしていると

拓が気付きこっちにやって来る


周りの女の子が騒ぎ出す


「来てくれたんや~今日は二人で?」

と由紀の顔を見た


「うん!同じ学校の由紀」

っと紹介した


「初めまして!ヨロシク~俺、階堂拓!

真琴の恋人候補って事で・・・

今日は楽しんでいって~」


「候補やなんてそんなん・・・」

私がいいかけると


「真琴、ちょっと今めちゃ込んでるから

さき他廻っといて~

あとでメールいれる!」


そう言って屋台の方に戻って行った


その場にいた女子たちに

一斉に向けられた嫉妬の目


(拓ってこんな人気者やったんや・・・)


私は優越感に浸りながらも

複雑な思いで

戻っていく拓の後姿を眺めていた