只ならぬ拓の様子を見て

真琴は言葉をかけるのを躊躇していた


やはり拓に薫を会わせた事は

間違いだったのか・・・


これから希望だらけの未来が待っている拓に

私と同じ重すぎる過去を

背負わせてよかったのだろうか・・・


ハッと我に返った拓は

心配そうな真琴に気付き

笑みを浮かべてこう言った


「こいつ~俺より男前やんけ!」


予想外の反応に私が驚いていると

今度は優しく


「ホンマにええ男やな、こいつ!

真琴が惚れるのんわかるわ

頑張れよ!」


そう言って私の頭をクシャっと撫でた



そして少し翳りのある表情になり


過去を話し始めた・・・