いつものように薫の手を握りながら      

一週間の出来事の報告をする


これが私の金曜日…



ただ痴漢の一件は内緒にしておいた

なんせヤキモチ焼きの薫が知ったら

大変な事になる


そのおっさんを探しあて

何をするか分からない



今意識のない薫には

無理な話なのだが

私は余計な心配をかけたくなくて

やっぱりその件は伏せておいた



(もうこれ以上…そうこれ以上薫に

辛い思いはさせられへん!)



意識がなくても、反応がなくても

暖かい身体…




(今一生懸命思い出そうと

してるんやもんなぁ~


『長い事ごめんなー』って言って

私を抱きしめてくれるんやもんなぁ…



薫の身体が温かい限り

私は待ってるんやで


 早くあの頃の薫に逢いたいよ…)