あの事故以来真琴は

生きる希望をなくしていた


この命と引き換えに薫の意識を戻してと

神に祈った


この脳みそを薫の頭に移植してと

医師に懇願した


薫のいない人生なんて

有り得なかった・・・



日が経つにつれ悲しみが大きくなる


身体中の水分が涙に変わって

止めどなく溢れだす


何もできない


考える事も拒否してしまう


人生の目的をなくした私は

ただ抜け殻のように


ベッドの片隅に

転がっているだけだった・・・