薫は帰り道を急いでいた

今日はこれからまだ約束があった


そう・・・昔の仲間との約束


こんな事真琴に言える筈もなく

どこか後ろめたい


そんな気を吹き飛ばすように


「これで最後やから・・・」


自分に言い訳するように何度も言い聞かせた


家に帰りこっそりとバイクのキーをとった

響はまだ帰っていない


この時響がいて薫を引き止めていたら

こんな結果にはなっていなかったのだろうか・・・


少し離れた所でエンジンをかけ

夜の街に消えて行った




その晩真琴の元には薫からのメールではなく

一本の悲しい知らせがあった



『薫が事故で意識不明の重体・・・』



真琴の中で地球が滅亡した日だった・・・