秋の行事も終わり

二学期ももう残すところあとわずか


期末テストが終ればすぐ冬休みだ 


「なぁ真琴~

解ってきたらおもろいもんやな~」

薫の口からこんな言葉が出てくるなんて・・・


真琴の家でテスト勉強中である


実のところ薫は真琴と同じ高校に

行きたいと思って頑張っている


真琴は薫がサッカー推薦で

進学すると思っていたので

正直こんなにも頑張るのが

不思議なくらいだった


「薫くんいらしゃい~!

二人とも頑張ってる!?」

ジュースとお菓子を持って母が入ってきた


「もう~お母さん!ノックくらいしてよ!」


「なんやの!いきなり入ったら

具合悪い事でもあんの? ねえ薫くん」


なかなか立ち去ろうとしない


「もぅ~はよ出て行って!」

私の言葉を無視し


「薫くん晩御飯食べていきね~」と言った


「あざ~っす!

お母さん今日もキレイっすねぇ」


とってつけたようなお世辞にも

嬉しそうな母はパタパタと

スリッパの音を残して階段を下りて行った


「あんなんで喜んでるし・・・」

私がムッとして言うと


「あら~真琴 焼きもち~?」

「あほ~!そんな訳ありませ~ん!!!」


薫の事を気に入るのは

私の母だけではなかった


薫は誰からも愛される

不思議な魅力の持ち主だった