一年の中での大行事の体育祭も

無事終った

今は陽も暮れファイアーストームが

始まっている


私と薫は昼間の余韻に浸りながら

校庭の隅のベンチに座って

これから出来るであろう

カップルの行方を見守っていた


今年のリレーでも薫はヒーローになった

そんな彼が自慢だった


「去年は真琴誰と踊ってたん?」

分かっているくせに意地悪に聞いてきた


「誰とも・・・」


「嘘言うな~!俺見てたんやからな~」

と拗ねてみせる


「だってあの時の薫

こんなんに興味なくって

さっさと帰ったやん!」


「高橋が告るのん分かってたから

わざと帰ったの!」


嘘かホントか分からなかったが

もしそれが本当なら

その時から薫は私の事が

好きやったん?


こんな会話が楽しかった


二人を引き離すものは

何もないと思っていた



(あれからもう一年かぁ~)

この時薫は一つの約束を

思い出していた・・・