やがて、プレハブ教室の前で立ち止まり、中の様子を伺っているようだった…

女性担任の小林先生は、ほうきを持って立っているのが精一杯だった。

誰かに携帯等で連絡する事もできず、入口から離れ、震えて立っていた…

大輝も先程とは打って変わって声も出ないようで、全く役に立たなかった…

奏:(…こんな時、元気くんがいてくれれば何とかしてくれたのに…)


そしてクラスメート全員が何もできないでいたが、奏ちゃんがすっと椅子から立ち上がり、プレハブ教室の前の扉の鍵をかけた…

そしてすぐにもう一方の後の扉にすばやく移動しようとした時、その狂犬は先回りし、その薄汚れた鼻先を扉の隙間にねじ込み、器用に扉をこじ開け、プレハブ教室に入って来た…


みんな完全に固まってしまった…