少女は僕の初恋の相手だった。 いや、である。

僕は今でも進行形で少女のことが好きだ。
それに気付いたのは僕と少女が中学二年の春を迎え、少女が初めて自殺を試みたその日だった。




少女は僕が知る中での昔から、人一倍この世というものに怯えていた。
いや、これも進行形であろう。

特に少女の過去に何かあったわけでもなく、ごく一般的な家庭に産まれ、ごく一般的な少女として育っていた。


それでも少女は好奇心旺盛な方で、知りたがり屋だったため、たくさん勉強をして、頭にたくさん知識を詰め込んでは、僕にそれを披露していた。


少女は中学一年生にして、一般的にいう『博識』だとか『知識人』だとか、少し頭でっかちな女の子になってしまった。







もうこの時、少女はこの世の理というものを知ってしまったのかもしれない。