「カフェ、繁盛してる?」


仕方なく会話してみる。

神林くんたち内装係は、当日はウエイターウエイトレスか調理にまわる予定だったはず。


「おー、クレープの生地ひたすら焼いてたんだけどさ、休む暇なかったわ。夕方前に完売するかも」

「そっか、よかった」


1日縛り付けられててクラス手伝えないのは、実はちょっと寂しかったんだよね。


「笠原、ずっとここいたの?」

「ん。今日はずっとー。さっきまでチラホラお客さんきたけどお昼時だからぱったり」


だから、会議室に2人きり……ってコラ、そういう風に考えるなわたし!


「あ、ゴメン昼飯? いいよ食べて。俺勝手に涼んでくから」


鞄に戻しかけたコンビニ袋を目ざとくみつけられ、お言葉に甘えることにする。


相変わらず、優しいんだね。


「こないだの絵はー? ないのー?」


って、いつの間にか展示物見てるし。


「あれはコンテストに出したもん……そういや、そろそろ結果が来るはずなんだけど……」

「へー……ってか、ほとんど笠原の作品しかなくね?」

「うん。あとは先生と、後輩1人と、卒業した先輩が置いてったのを勝手に」


「ってか、笠原描きすぎじゃね?」

「去年の文化祭から1年分だし、この夏休みも通いつめたもん」

「あの垂れ幕描きながらぁ? すげぇな」


あー、垂れ幕見てくれたんだな……ってだからそこで反応しない自分!


もぉ……ちょっと思考クールダウンしよう!