文化祭1日目は、カフェも繁盛してるうちに終了。
まぁ2日間しかないから、今日が最後なんだけど……。
「えぇ〜今日は1日こっちなのう!?」
「うんーごめん。七海は兼部してて忙しいし、昨日は千里先生がいてくれたからねー」
そう、美術部の展示は、作品を並べてほったらかしにするわけにもいかないし。
千里先生に丸2日お願いしてしまうのは申し訳ないから、今日は1日わたしがいることになってるんだよね。
後輩の七海は、兼部してる他の部の活動で忙しいみたいだし。
「ぶ〜一緒にまわろうと思ってたのにぃ……」
「って弓美、彼氏来るんじゃなかった?」
「うん、だから3人で」
「なんでよっ2人でまわってきなさいよっ」
「え〜〜〜だってあたしの彼氏と弥白が仲良くなれるのは大事な条件だもーん。弥白と仲良くしてくれない彼氏なんかいらなーい」
もう、弓美ってば。
「はいはい、ここに連れてきてもいいから、まわるのは2人でまわってきてよ」
弓美がわたしを大事にしてくれてるのは伝わってるから、大丈夫だよ。
「うん……。あ、電話。直くんだー、もしもーし。今どこ? え? あーそしたらねぇ」
弓美は特に高校入ってから、彼氏がいないほうが珍しいくらい。
でも別に軽いって訳じゃないと思う。
弓美の歴代の彼氏さんにはみんな会ったことあるけどそれぞれにいい人だし、弓美もちゃんと好きでちゃんと向き合ってる。
ただ、やっぱりその分いろんな経験をしてて。
わたしは男の子と付き合ったりしたことないからアドバイスなんてできないけど、そのかわり? いつも弓美の味方でいることにしてる。
「ちょっと直くん迎えに行ってくるね〜」